AKACHANの金型とスラッシュ成型のこと | ボクトウ刺繍

2021/07/03 19:15

前回の記事(https://bokutoshishu.theshop.jp/blog/2021/07/02/141222)に続いて、
AKACHANが出来るまでの話の後編です。


写真の右側が粘土でできた原型。それをワックスに置き換えたのが左側の緑色のものです。
この作業は専門の業者さんにやってもらったので詳しい方法は分からないのですが、
シリコンか何かで型をとって、熱で溶かしたロウを流し込んで作るんだと思います。
この台座の部分もワックス原型の業者さんにつけてもらいました。
このあと金型を作るためにこの部分が必要なんだそうです。

このワックス原型から直接金型が作られるので、最終チェックをします。
昔の瀬戸の謎のビスクドールの少しぼこぼこしていてジャガイモのような雰囲気を少し出したかったので
粘土原型の表面の仕上げもあえて整え過ぎないようにしてもらったのですが、
少し目立つ傷等はこの段階で自分で丁寧に処理しました。
昔彫金の学校に通っていたおかげでワックス原型の加工は少し(ほんとに少〜し…)分かるので
役に立ってよかったです。



ワックス原型を金型屋さんに渡して、待つこと数ヶ月…
スラッシュ成型の金型が完成しました!
AKACHANのお肌はマットな質感なので、金型の内側はサラっとしています。
ツルツルかサラサラを指定して作ってもらえるんだそうです。


次は成型です。スラッシュ成型という方法で成型します。
塩ビの液体(熱で固まる)を型の中に注いで、熱ーい液体に型ごと浸けて待つこと数十秒。
金型の形やその日の気温や湿度によって、加熱する時間や傾け方などの無数の条件を
調整してきれいな成型物が完成するんだそうです。
作業場はすごく熱いし、力仕事だし、見るからに大変な仕事です。

説明がちょっと難しいので、スラッシュ成型の仕組みを詳しく知りたい方は
調べてみてください。

型を作って量産するっていうと、ぴかぴかの製品が機械から自動でポコポコ出てくるところを
想像してしまいますが(実際もっと自動化されているものもありますし)
スラッシュ成型はすごく手動だし、大変そうです。

作るのが大変だからといって良いものとは限らないんだけど、
工程に魅力を感じてしまう気持ちがすごく分かります…


これが成型したAKACHANです!
出来立てホヤホヤは、素手で触れないくらい熱い。熱くてやわらかい。
下の台座みたいな部分は「バリ」といいます。ナイフでひとつひとつ切り落としてもらいます。

職人さんは簡単そうにスイスイ切り落としていくので
私もいくつかやってみたけど全然無理でした。
なんでもそうだけど、上手い人の作業ほど簡単そうに見えるやつですね。

今日は以上です。

ボクトウ刺繍 平栗