2021/07/02 14:12
今日はAKACHANの原型のお話です。
先日のブログで少し触れたように、AKACHANはかぶりものをかぶせるマネキンとして企画し、
どうせなら可愛いのがいいので赤ちゃんにしようということは決めていました。
そこから3年間くらい、どんな顔にすればいいのかをのんびり悩んでいて、
娘の顔を3Dモデル化して3Dプリンタで出力してみたりもしました。
(なんだかイメージと違ったのでボツにしました)
これは赤ちゃんの人形について悩みながら少しずつ買い集めていた、ビスクドールの頭です。
この写真の左の2体になんだか妙に惹かれて、どういうお人形だったのかを調べていくうちに
日本の瀬戸で生産されてアメリカに輸出されていたものだということがわかって来ました。
詳しい時期ははっきりしませんが、おそらく今から50年くらい前のもののようです。
戦後から1990年代頃まで、瀬戸では様々な陶製の置物や人形が生産されて世界中へ輸出されていたそうです。
この文化を「瀬戸ノベルティ」として残していこうと活動されている
「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」さんのブログで素晴らしい製品の写真を見ることができます。
瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部
とにかくこの瀬戸生まれの赤ちゃんの頭がとても気に入ったので
その兄弟分のようなお人形を作れないだろうかと思って瀬戸ノベルティ文化保存研究会さんに相談したところ、
現役の瀬戸ノベルティ原型師の藤澤 賢さんをご紹介いただき、AKACHANの原型を作っていただけることになりました。
↑原型製作をお願いする際に描いたデザイン画(?)です。
スラッシュ成形の金型にするために、造形上の制約が色々あるので
成形屋さんから教えてもらったポイントを藤澤さんにお伝えし…
想像以上にかわいい(そしてなんだかふてぶてしい)赤ちゃんの原型ができました。
藤澤さんにお願いできて本当によかったです…
私は昔勤めていた会社でぬいぐるみの企画・デザインをしていて
海外のぬいぐるみ工場さんにサンプルを作ってもらうことが多かったのですが
立体物(特に、顔があるもの)をイメージ通りに作ってもらうのってすごく難しいのです。
なので、私の拙い説明からしっかり意図を汲み取って形にして頂けて本当に感動しました。
そしてこの原型をワックスに置き換えてもらって原型が完成しました。
やった〜!
そんなわけで、今回は原型が出来るまでの話でした。
次は成型のことを少し書きたいと思っています。
↓現在販売中のAKACHANはこの2種類です。
ボクトウ刺繍 平栗