2021/07/14 20:48

先日販売を始めた"AKACHAN"には覆面が付属しています。

この覆面は東京都墨田区の作業場で製作しています。

ほとんど一人で縫っているけど、まとめて一気に作ります。楽しい〜〜〜〜

プロレスの覆面って、顔のパーツ(「ふちどり」と呼んだりするみたいですよ)のきわのステッチが格好良いな〜と思います。
普通の布地ではなく、ツルっとコーティングされている合皮なので、ミシンのペダルをうっかり踏み過ぎて
縫ってはいけないところに針が落ちると穴が空いてしまって一巻の終わりです。
美しく仕上がるように、安全運転で丁寧に縫っています。

ボクトウ刺繍は主に機械刺繍の仕事をしているので
これも刺繍機で自動で作ってると思われていたりするんですが、
今のところ刺繍機ではこういうのはできないので、職業用ミシンで縫っています。



今日は少し、私とおもちゃと縫い物の話をします。
あんまり読まれていないブログなので存分に自分語りをする!

子供の頃から着せ替え人形「ジェニー」の服を作るのが好きでした。
熱中していた時期もあれば、別のことに忙しくてしばらく疎遠になったこともあるけれど、
今でもジェニーが一番好きなおもちゃです。
90年代〜2000年代にかけて、日本ヴォーグ社から出版されたジェニーの専門誌には
あらゆるデザインの服の作り方が丁寧に掲載されていたし、読者投稿コーナーに載っている作品を見るのも楽しかった。
人形の服だけでなく、時には立派なドールハウスやテディベアの作り方、様々な種類の工作材料の使い方も紹介されていて
作ろうと思えば何でも自分で作れるんだな、と思ったのを覚えています。
これらの本はもうボロボロになってしまったけど、今でも大切にしています。

ジェニーをきっかけに人形と縫い物が好きになって、それに関わる仕事に就きたいと思っていた私でしたが、
縫い物の勉強を出来る学校に入る勇気はなかったりして(とてもオシャレじゃないと駄目だと思ってたんです)
だいぶ遠回りをして、なんだかんだで玩具メーカーにぬいぐるみの企画・デザイン職として潜り込みます。
そこではキャラクターもののぬいぐるみや、着せ替えが出来るぬいぐるみ等を担当していたのですが
趣味で1個だけ作るぬいぐるみや人形服と、中国の工場で量産する商品とでは考え方が違う部分が多くて
苦労したけれど、1個ではなく沢山作るためのデザインの考え方は今でも役に立っている気がします。

刺繍屋を始めることになって退職してからも、
ぬいぐるみのパターン作成(フィギュアで言うところの原型師のような仕事)や
フィギュアや人形の衣装に関わるお仕事を頂いたり、
今もBASEで販売しているオリジナルのぬいぐるみを作ったり等
10年間なんとなく ずっと、おもちゃに関連した縫い物をし続けてきました。

海外の工場で量産される製品も、作家さんの一点物の作品も、どっちにも良いところがありますが
いろいろやって来た中で、私はその中間くらい、程々の数を自分で縫うのが一番楽しいな〜と思います。

これからの10年くらいもずっと、そんなようなことを続けて行けたらいいかなと思っています。
AKACHANの覆面も沢山作りたいし、ぬいぐるみもたまには新作を作りたいです。

今日も何だか要領を得ないような文になりましたがおやすみなさい。
(作文が「尻切れトンボ」だと叱られがちなタイプ)